生まれ変わりのようでいてそうでもない周囲の大人たちも困惑する紫藤ヒバリくんネタでした。
 佐為には月下に横笛を構える姿が似合うなと思いつつも、有職故実はもとより歌を含めた技芸全般に疎くあってほしいという理想もあります。碁を打つ以外何もできないみたいな。でもたくましく生きてそう。

 迦陵頻伽とは、ものの本によると美しい声で鳴く空想上の鳥のことのようで、この場合は進藤ヒカル/佐為のことを指しています。その鳥がさえずる=対局相手を探していると周囲には聞こえてしまう、というようなことを意味する題名のつもりです。
 花言葉に「あなたの助けになる/喜び」がある紫華鬘は学名に雲雀を含み、仏具である華鬘には迦陵頻伽の意匠があしらわれることもあるようです。雅楽の演目である迦陵頻は童子が舞うのだとか。
 寺の石垣から飛び降り出た紫藤ヒバリくんが塔矢家でお盆の時期を過ごした後をどのように生きるのか。たぶんこの先は塔矢アキラのアグレッシブさにかかってくると思います。

聞きなす迦陵頻伽のさえずり・あとがき